No Rain No Rainbow

先月末…実家で母がお世話をしていた87歳のお婆ちゃんが介護施設に入所しました。
体は元気ですが6年ほど前からアルツハイマーを発症。
ゆるやかに進行していたのですが今年に入って進行が加速。
記憶や判断力が無くなる事に加え、トイレのお世話が大変に。
これには母もお手上げ。段々と介護施設に入所と言う選択肢が浮かんできました。

とは言え…そう簡単には見つからないのが現代の日本が抱える問題。
保育園や介護施設への入所は狭き門です。
もちろん、どちらも簡単に入る方法もあります。お金に余裕があれば…。
お金さえあれば皆入れる。でもこのご時世そうは行きません。

実際にうちのお婆ちゃんが取り敢えずと入所した施設も頭金うん百万円。
更に月々うん十万円。一年間にどれだけ出費があるのか…。
もちろん、お婆ちゃんの長生きは家族皆が望むこと。
でも長生きは経済的なマイナスをどんどん生みます。
こんな問題を抱えている家族は現代において少なくはないはずです。
いざ入所が決まると心に生まれてくるのが『罪悪感』
金銭的な事以上にこの罪悪感にも苦しみます。
高額な施設でも、そうでなくても入所時には殆どの家族が感じるもの。

先日、午前のレッスンを終えた後、お婆ちゃんの面会に行ってきました。
施設はとても綺麗で時間の流れもゆっくり…。
こんな環境ではまた進行が加速してしまう。
刺激を与えねばと、母が一生懸命お婆ちゃんに昨日の事、今日の朝の事をたずね…
もちろんお婆ちゃんに記憶はありません。残念ながら5分ほどで忘れちゃいます(>_<)
それでも微かな希望を持って話しかける母。実の娘だからこそですね。

ただ、私の考えとしては記憶が無いのに思い出させるのは不可能。
記憶探しはやめて『今起きている事を話してみたら?』と言いました。
例えば…空が綺麗だねとか、もうすぐ桜が満開だねとか…。
今までの苦労を一番背負ってきた母が気持ちを簡単には切り替えられないのは皆承知。
でも、大切なのはお婆ちゃんはもちろんだけど、今を元気に生きている人。
これ以上母が頑張り過ぎて疲れてしまったら…
お婆ちゃんが入所した意味がなくなってしまいます。

保育所も同じ。
預ける事に罪悪感を感じるなら24時間自宅で保育するしかありません。
でも、共働き夫婦も増え、預けないわけには行きません。
人それぞれ与えられた環境があり保育の仕方も様々。

私も初めて保育園に娘を入れた時、これでいいのかと自問自答しました。
でもそれしか方法がない。
保育所も老人施設も、大切なのは『罪悪感』を持つことではなく、
その選択肢を選んだらできるだけ笑顔で送り迎え、笑顔で面会を…。
預けることで少し緩和されるなら、そんな選択肢も選んでよいと思います。
もしもケアをしてくれる施設を利用しなかったら、
毎日大人のイライラを訳もなく感じる子供や、
記憶がなかったり若いペースについてゆけず ピリピリした雰囲気を受け取り
毎日不安なお年寄りもいたり・・・お互いに良いことはありません。

まだ未就園で幼いお子様をお持ちの方も、イライラした自分を感じたら
一時保育でリフレッシュするのもありです。
お迎えに行ったら普段以上に愛情を感じるかも知れません。
お年寄りならデイサービスや介護施設へ。
ただ…そんな選択肢もない時は、きっと今の自分の環境には何か意味があると信じて…
乗り切るしかありません。そうやって日々ご苦労をされている方も多い世の中。

ハワイのことわざで 『No rain No rainbow』と言う言葉があります。
雨が降らなきゃ虹もかからない。そんな意味を持つ言葉。
美しくカラフルな虹を眺めるにはスコールのような雨が必要なんです。
もしも今がスコールの真っ最中なら…きっといつか雨が止み虹がかかる。
そして美しい虹が…そう信じて、希望と共に生きて行くしかないのです。

虹を一度も見たことがない人生と虹を何度も見た人生。
人生の最後にどちらが幸せと感じるのか。

今日、娘と母がお婆ちゃんの面会に行ってきました。
母が写してきた携帯の画像
穏やかに微笑むお婆ちゃんの顔とお世話をする娘(チビッ子介護士!?)
先月までの状況と確実に変わった事、それは皆が笑顔だと言うこと。
雨が止み、そして家族に穏やかな虹が…。

介護施設があり、お世話してくださるスタッフの方に心より感謝です。
金銭的な面でまだまだ課題は多いですが(^_^;
今回のスコールは止んだようです。

No Rain No Rainbow・・・・
皆さんの記憶の中に虹はいくつありますか?

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