キャストリング

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若い頃は世界中、長期で気ままな旅(いわゆるバックパッカー)を楽しんでいた私。
そんな頃出逢った、『あるもの』の存在を、昨日ふと思い出しました。
それは『キャストリング』と呼ばれる不思議な指輪。

ギリシャ滞在中に出逢ったその指輪は、
シルバー、ゴールド、ブロンズが絡み合い1つになったデザイン。
通りすがりのお店でそのデザインに惹かれ即決で購入。

そのまま小指に着けてお店を出ようとしたところ店主からはこんな言葉が…
「そのリングの意味をしっているかい?」
「え?知らない」と答えると
店主は怪しげな笑みを浮かべながら「頑張ってね〜」と一言。
そんな怪しい一言に思わず私は「え?なに?なに?何があるの!」と聞き返した。

すると…
「それはキャストリング と言って、15世紀にお隣の国トルコで誕生し、浮気を防ぐために恋人に贈るための指輪だったらしい。戦地に向かう男性が長い間離ればなれになる妻や恋人にこの指輪を贈り、帰還した際に指輪がバラバラになっていたら浮気をした証。この指輪はそんな意味合いを持っているんだよ。ちなみにイギリスでは愛を確かめ合う指輪として恋人に贈られてるらしいね。」と。

なんと浮気防止の指輪!?とても興味深い。
つまり店主からの「頑張ってね!」の言葉は、
「1度バラバラになったら直すのが大変だよ」と言う忠告。
どれだけ大変なのだろう?
まぁ、バラバラになっても戻す方法はあるでしょ♪と気楽に。

その日の夜、早速にその指輪を外してみると。
カシャッ!とバラバラになった指輪、直し始めて数10分が経過…
(あれ?ちょっとこれ無理!!!)
それから数日間、旅の間暇さえあればパズルをやり、それでも元には戻らない。
バラバラにする前はこの指輪に心踊っていたのに、直せないない指輪はただのストレスリング。
普通の指輪には戻れない。こんなことなら外さなきゃ良かった。
そんな後悔も沸き上がり、気に入っていた指輪の存在に、
ついには鬱陶しさも湧いてくる始末。

そんなある日、旅の道中でスペイン人の女の子達と出逢いました。
ギリシャからトルコに移動する列車内で意気投合。
楽しく会話をする中、ふと彼女達の指目を向けると
なんと同じくキャストリングがあるのを発見!
「これ!もしかして…パズルの?私のと同じ?」とドキドキしながらバラバラになった自分のリングを見せると、
彼女たちは笑いながら「貸して!」と私の指輪を楽しそうにいじり始める。
そして数分後?いや数秒後!?意図も簡単に指輪は元通りに。
思わず『きゃ~ありがとう!!!』と思い切りハグ。
「どうして簡単に出来たの?」と聞くと
「前からずっとしてるから。前はバラバラになって私も直すのが大変で、
それでもこの指輪が好きで、バラバラになる度に諦めず直していたから。」
なるほど…諦めないってことね。それ大事。
「この指輪はね、たまにバラバラになっちゃうけど、けっして独立はしないの。
繋がれたままなの。それって素敵じゃない?」
と話してくれた彼女の言葉が心に残る。

浮気防止の指輪は愛する人の心を疑う気持ち、不安な気持ちが作り出した物。
1つ1つを独立(完全にバラバラになるように)させなかったのは
もしかしたら修復出来る可能性をこの指輪に託しているのかも?と、勝手に妄想。

恋人同士は家族のように血の繋がりが無い分、深い繋がりを求める。
そこに疑う気持ちや不安が湧いてくる。
例えバラバラになりかけても元に戻せた時
もしかしたら過去よりもっと深い絆で結ばれるのかも知れない。
もちろん、それには修復しようとする気持ちと、
お互いが相手の良い部分を見つめ直することも大事。

恋人に限らず愛する家族や友達も同じ。
自分の力では無理なら、時に誰かの力を借りて元に戻れるかも知れない。
バラバラになることが悪いことではなく、修復できるかどうか。
うまく戻れた時、そこには必ず今まで以上の「愛」が存在する。

私のキャストリングはあの頃のまま。
スペイン人の彼女が直してくれたまま。
バラバラになるのが怖くてそのまま大切に保管していました。

このブログを書きながら一度中断。
思い切ってキャストリングを一度バラバラに。
そして、昔のようにパズルへトライしてみたら、なんとすんなり修復成功。
どうやらあの頃より修復が上手くなっているようです。
この指輪をずっと大切にしたい、
そんな愛する気持ちがある今だからこそ、きっとこの指輪はすんなり修復できたのだと。。。

指輪に限らず…
私達の人生はまるでパズルのよう。
バラバラにすることが新たなる挑戦にもなる。
修復を諦めた時に初めてそれが失敗となる。

諦めない事。
信じてパズルを続ける事。

懐かしの指輪から今になってそんなメッセージを貰えた気がします。
今だからこそ感じられる素敵なこと…私にはまだまだありそうです。

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